平成26年04月10日
里山資本主義
瀬戸内ジャムズガーデン
松山市の三津浜港からフェリーに乗り山口県周防大島の伊保田港に到着
今日は周防大島で地場産業の果樹農業を活かしたジャム園の経営をされている松嶋匡史さんをお訪ねしました。
周防大島は柑橘類で有名で昭和40年ころまではミカンの価格も高く景気も良かったので果樹農家は子どもを学校など都会へ出していくことができたが、その結果高齢化率が日本一となってしまった。
しかし今日UターンやIターンの若者が島に流入し山口県内では高齢化率こそ高いが人口流入がトップとなっている。
都会から過疎地へ。いま、若者たちの五人に一人が、農業や漁業といった一次産業に挑戦したいというデータがあり、かつての花形IT産業の二倍以上だそうです。
そのお一人でもある「瀬戸内ジャムズガーデン」を立ち上げられた松嶋さんからお話をお聞きしました。
以下は松嶋さんとのやり取りです。
・新婚旅行で行ったパリのジャム屋の美しさに取りつかれ反対する妻を説得し妻の実家である周防大島に完全移住しジャムの製造販売をやっている。
・地域資源は付加価値をつけて販売する
・田舎では田舎でしか出来ない事業を新しい事業分野として開拓する
・周防大島は夏場の観光客が特に多く、従業員を22名雇用し年間10万本のジャムを製造販売している
・契約農家数も当初は8軒であったが今は52軒となっている
・6次産業化といわれるがキーは二次産業のジャムの加工にあると考えている
・地域で作っている果物を基本的に高く買う
・端境期に必要となる果物は自分で作る、あるいは島では少量の物を作っている
・現在ジャムズガーデンの横にブルーベリー園を造成中
・耕作放棄地(安くで借りられる)を借りてイモを作る
・自分たちのものだけでなくイモホリ大会など地域に広く開放しファンの拡大を目指している
・リピート率が高い
・試食コーナーあり、2階はギャラリー開放、ジャム屋フェスタ開催などいろんな仕掛けをやる
・こだわりジャム屋にはこだわりのパン屋さんがつく
・ネット販売は一割程度しかない
・機械ではできない人間だからこそ出来る高付加価値のジャム作り
・田舎は人件費が安いのが強み
・田舎で農家の隣でジャムを作ることに意義がある
・消費者に顔が見える
・地元産品活用 → 地元生産 → 域外に販売
松嶋さんのお話をお聞きしていて、地元の人も気づかない宝物が周防大島にあったんだろうし、全国にも毎日目にしている宝物に気がついていないところがたくさんあるんだろうと感じました。
私たちはいまこそ、私たちの身の回りの里山に目をむけて「マネー資本主義」のサブとしてあるいはバックアップとして「里山資本主義」を日常生活に取り入れる必要があるんだろうと考えます。